突然だった。



ジャスティスとソルが戦っているのを

私は離れたところで見ていたのだが、


ジャスティスが倒れ、事切れるとと同時に

ソルが理性を失くして暴走した。




ジャスティスが死んだせいだろうか。


共鳴するように咆哮をあげ、

ソルは一番近くにいた私を襲った。



「ぐッ…! 放せ、この…っ…、ッう!」


手の甲に噛み付かれ、思わず呻く。

鮮血が滴った。


圧し掛かるソルの体は重く、解けた髪は蛇のようにうねる。

瞳は琥珀に輝いて禍々しい。



……だが。






「他の人は来ないでください! こいつは私が何とかします!」



私は彼を見つめたまま、駆け寄ってきた他の選手を制した。






誰にも邪魔はさせない。

誰の目にも触れさせない。




美しい。



彼の本当の姿は。