もしもソルがストーカーをやったら



ズバン!!


「オラッ! 勝負だぜ、坊や!」
「うわっっ!!?」

いきなり開け放たれたドアから現れたのは、ソルだった。
ちょうど入浴から上がったところだったカイは驚き、硬直する。

何もこんなときに、乱入することはないだろうに……。

ソルはここのところ執拗にカイに勝負を挑んでくる。
以前に半ギア化したソルを辛くも負かした時から、リベンジだと言って所構わず追いかけてくるようになったのだ。

職務に従事しているカイは言わずもがな生活サイクルが一定している。そのうえに多忙である。
しかしそれとは対照的にソルは、仕事が不規則で常に賞金首を狩っているとは限らない。めぼしい標的がなければ、すぐさまカイの居そうな場所を割り出して現れるのだった。


「い、いい加減にしてくれないか!? ソル!」


慌ててタオルを腰に巻きながら、カイはソルの方へと振り返る。今まで勝負を挑んでいたのはこちら側だったが、実際に挑まれる側になると煩わしいこと、このうえないと尽々思う。
しかしカイの拒絶の言葉を、ソルは横柄に首を傾けて聞き流した。


「武器を持って、さっさと表に出な」
「ちょっとッ! いくらなんでも、こんな状態でそれはないだろう!」

タオル一枚で、封雷剣を構えて Let's Rock !……なんて冗談ではない。

ぶるぶる首を横に振って必死に嫌がるカイだったが、ソルが大股で近付いて来て腕を掴まれてしまった。


「別にいいじゃねぇか、隠さなきゃならねぇとこは隠してんだし」
「バカかお前は! 十分に公然猥褻罪に値する!」
「てめぇの庭でやるから、外から見えねぇよ」
「ちょっ…、こらーっ! 私が手塩にかけた植物園を燃やす気かーーーッッ!!」

ぐいぐい引っ張ってくるソルに逆らいながら、カイは絶叫した。多忙の中、暇を見つけてはせっせとガーデニングに励んでいただけに、バトルステージにされるのだけは本気で勘弁である。

しかし拘束するソルの手を振り解くのは容易ではなく、結局カイは意思に反して表に引っ張り出されてしまうのだった……。




後日、キスク宅から発生した轟音と火災に驚いた周囲の住人が見たのは、
憤怒で血の涙を流しながら鬼神の如く戦うタオル一枚のカイ=キスクだったとか……。








GGXのカイのストーリーで常にドラインのソルに勝ったことがきっかけで……と、こじつけてみました。
流石にちょっと本気出して負けたら旦那もムキになるかな、と。

……あ、ありえねー……;


ま、お遊びということで。





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